野田夏実——植物のかたちを借りて人を描く、陶芸アーティストの一点もの大皿
陶芸アーティスト・野田夏実さんの作品は、一見すると華やかな花の絵柄に見えます。けれど、描かれているのは花ではありません。
会話のきっかけとしての器
1992年、東京生まれ。東北芸術工科大学美術科を2018年に卒業、翌2019年に同大学の研究生課程を修了しました。在学中には第57回日本クラフト展で奨励賞を受賞。卒業と同じ2018年には、個展を開催しています。その後2019年に東京都江東区に工房を設立。現在も東京を拠点に制作を続けています。
野田さんが一貫して掲げているのは、人との関わりを大切にしながら、会話のきっかけとなるコミュニケーションツールとしての器をつくるということ。その考えから、作品は食卓に置かれたときに、その場にいる人の間で何かが始まることを想定してつくられています。
植物は、人のかたち
野田さんの作風で最も特徴的なのが、モチーフの捉え方です。
植物で表現しているのは、実は人なんです。草花にもいろんな種類や色があるように、人にもいろんな個性があり、人から感じるエネルギーや多様性を作品に込めています。
こう話す野田さんは、花や植物を「柄」として描くのではなく、人の多様性やエネルギーを植物に置き換えています。配置に規則性が見えず、有機的に感じられるのは、そのためです。
大皿は映画や音楽から着想を得たテーマごとに描かれます。そして「1つ1つの作品にテーマを設けて、同じ絵柄はつくらない」というのが野田さんのこだわり。作品はすべて完全な一点ものです。
使う器として、飾るアートとして
By Emotionのために制作された3枚は、いずれも直径29〜31cmの大皿です。この大きさは食卓の主役皿として十分な存在感がありますが、それだけではありません。裏面にも草花のデザインが施され、上部には壁掛け用のフック穴が設けられています。表裏どちらを見せても作品として成立する仕様です。


裏面にも描かれた草花モチーフ

壁掛け用フック穴(裏面上部)
By Emotionのための3枚
ミントグリーン、イエロー、ピンク。同じ絵柄はどこにも存在しません。



野田夏実(のだ・なつみ)
1992年 東京都生まれ、東京都在住。
2018年 東北芸術工科大学美術科卒業。同年、birdo flugasにて個展「ネオごはん」開催。第57回日本クラフト展奨励賞受賞。
2019年 同大学研究生修了。東京都江東区に工房を設立。
人との関わりを大切にしながら、会話のきっかけとなるようなコミュニケーションツールとしての器を制作。





