atelier shimura

受け継がれる「生命の色」を
身にまとい、愛でる

 

受け継がれる「生命の色」

atelier shimura(アトリエ シムラ)は、紬織の重要無形文化財保持者(人間国宝)であり随筆家でもある志村 ふくみさんの芸術精神と技術を継承するブランドとして、2016年に誕生しました。ふくみさんが大切にするのは、自然への畏敬に根ざした「精神」と、草木染め、手織りという「技術」。

 

植物の生命の色をいただき、人の手で糸を染め、織りあげる――。

 

同じ色は二度と現れず、時とともに深まり移ろうその色は、「生命の色」と呼ばれています。

 

今回、By Emotionでご紹介するにあたり、atelier shimuraの作品を間近で拝見しました。静かに内側から光を放つような、やわらかな輝き。鮮やかでありながら、凛とした深み。その余韻をぜひお伝えしたいと思います。

 


自然と人、生命が響きあう織物

志村 ふくみさんは、かつて日常の暮らしの手仕事とされていた紬織を、芸術の領域へと昇華させた存在です。

 

ふくみさんにとって染織とは、単なる技術や化学の営みではなく、植物と染め手の生命が交差し共鳴する行為。

 

草木はその生命を差し出し、染め手はそれを受け取り生かす存在。織り手もまた素材に寄り添い、対話しながら一枚の布へと昇華させる――。

 

こうして生まれる織物は、自然と人間の交流がもたらす唯一無二の美を宿します。アトリエシムラの作品に見られる、繊細なグラデーションや奥行き、陰影の美しさ。それはこの、深い対話の積み重ねから生まれるものです。

 


つくり手を育て、技を未来へ

atelier shimuraは、染めと織りを学ぶ学校を持ち、卒業生が担い手としてブランドを支えています。

 

代表の志村 昌司さんによれば、もっとも時間と経験を要するのは、染めた糸を経糸に整える工程。全工程の6〜7割を占めるとされ、「染めて、織る」という全工程を手仕事で行うブランドは、今では少なくなったとのこと。

 


歴史の気配と、現代の美意識

伝統的な日本の色遣いを感じながら、同時にモダンな雰囲気を醸し出す色合わせも大きな魅力です。アーカイブを参照しつつも、同じ組み合わせをそのまま再現することはないといいます。

 

草木の生命とつくり手の心から生まれ、そして時とともに変わりゆく色の表情を、どうぞゆっくりとお楽しみください。