九谷焼赤絵細描 米久窯

希少な超絶技巧
九谷焼「赤絵」細描

 2024.3.26

 

 

希少な技術、九谷焼「赤絵」 

九谷焼の歴史は、江戸時代初期まで遡ることができます。中でも赤や金の細描を作風とする赤絵の歴史は比較的新しく、江戸末期に興りました。


明治時代の最盛期には200〜300人の職人が赤絵に従事したものの、現在では20人弱まで減っているとのこと。


米久 和彦さんは作品を生み出すうえで必要なことを「メンタル」と「座り続ける体力」と表現します。 筆運びには精神状態が顕れ、また絵具も昨日と同じ色は二度と出ないことから、自ずと作品は同じものが二つとしてないものとなります。



作品はすべて手描きで制作

 作品はすべて手描きで制作


使う絵具はオリジナル。紅殻に鉄錆と光沢を出すためにガラスの成分を入れています。


 

赤い絵具は毎日摺って生まれる

 赤い絵具は毎日摺って生まれる


絵筆は毛が新しいと模様が描けません。


下絵で3年使い、油が抜けたところでハサミを入れて芯だけ残しており、手入れをすることで1015年は使えると言います。


 

細さの微妙に異なる絵筆たち

細さの微妙に異なる絵筆たち


 




【プロフィール】米久 和彦(こめきゅう かずひこ)

1968年、石川県能美市(旧根上町)生まれ。金沢美術工芸大学 美術学科(油絵)を卒業後、石川県立九谷焼技術研修所 専門コースを終了。1996年に「米久窯」を立ち上げて自営の道に入る。


2001年より、全国各地の百貨店やギャラリーで個展を開催。2010、11年にはウェスティンホテル東京「舞」で開催された「四季の彩り・花と器の宴」のテーブルコーディネートに参加。2013年には元首相森喜朗氏がロシア訪問の際、大統領に作品を寄贈。また東京上野 旧岩崎邸園庭オータムイベント「彩の秋」にて展示など幅広く活動。