PFE TAKASHI DEGUCHI

あるがままの個性を宝に
スタイルを格上げする真珠

 Yutaka Futaba

パール×男性の世界はあるのか

「実はあれパールなんです。」

 

とあるバーの片隅に置かれていたブレスレット。バーテンダーに何げなくカッコいいですね。と話しかけたところ思いもよらぬ回答が返ってきた。


真珠は女性が身に着けるもの。そんな概念が少しずつ変わりつつある昨今。

 

確かに男性が白くて丸いパールを身に着けている姿を雑誌などで見るものの、どこか遠い存在と感じていた。

 

もっと男性に身近な真珠アクセサリーはないかと。

 

 

自然には丸くて白いものばかりではない

ブレスレットの作り手はPFE(パールファーイースト、PEARL FAR EAST)の出口 崇さん。

 

真珠養殖発祥の地である伊勢志摩で生まれ育った出口さんは、大学卒業後、知人を介してタヒチで真珠養殖をしている日本法人に入社することとなる。

 

出口さんの父親は公務員だったため、真珠関連業の家で生まれたわけではなかったが、公務員の立場から地場産業を支えよう、発展させようという想いで仕事をする父親の背中を見てきた。

 

そのため、知らず知らずのうちに自分なりの切り口で地元のためになる仕事がしたいという想いが芽生えていたという。

 

会社では真珠の見方、選別の技術を一から学び、希少で日本での取り扱いの少なかった黒真珠だけのオークションを1990年代に初めて開催するなどの経験を経て4年後に独立した。

 

最初は経験を生かして、真珠を海外の競りで仕入れて国内に販売する卸業をしていたものの、「二十歳になったら1本は持っておいた方が良いお道具」として優秀な白くて丸い真珠しか陽の目を見ていないことに違和感を覚えた。

 

実際に海を相手にし、自然に向かい合っていくと、丸くて白いものばかりではないのだ。

 

 

「色んなものができる。形が違うものが。僕はその個性的なものに惹かれた。それを捨てちゃだめだろうって。個性を捨ててみんなが均一化することに疑問があり、個性こそが宝じゃないかと感じていた」

 

と出口さんは語る。

 

地元の真珠産業の中で最も保守的な真珠のネックレスを、自分なりの切り口でファッションにしていきたいとの思いから、バロックパール、ケシパールのジュエリーデザイン、製造まで仕事の幅を広げていった。

 

自ら1粒1粒見て0.2%の真珠を選別

世界各国で開催させる真珠の競りへの参加すること自体が、まず限られた人にしかできない。購入量、信頼関係などをもとに、競りの情報が個別に連絡が来るとのこと。出口さんはタヒチ、インドネシア、オーストラリアなど、世界各地で行われる競りへ参加し真珠を輸入してきた。 

 

競りで手に入れた真珠はそのままでは卸すことはできない。海の香りや汚れを落とし選別していく。

 

 

この時、出口さんが自身のジュエリーで使う真珠も選別するのだが、照り、形を見つつ、一か所でも黒い点があったり、目に見えるか見えないかくらいの傷があると使わない。

 

真珠の卸を何年もやっているため、真珠業界のプロに見られても恥じない品質を追求しているそうである。ただし、特徴的で良い傷の真珠は使うとのことであった。

 

例えば先日選別した時は、25,000粒中たったの55粒が出口さんのジュエリー用には選ばれた。そして選んだ55粒の中に1粒だけ、ネジの様に線が入った真珠があった。

 

普通だとジュエリーには使わないかもしれない。ただ、これこそが、25,000粒中1粒の個性的な真珠なのだと感じ、ジュエリーに利用することに決めたそうである。

 

自然のままを大切にする出口さんらしい選別眼である。

 

選別前の25,000粒

 

選別された55粒。右のほうにネジの様に縞模様の真珠がある

 

このようにして選別しているため、一粒一粒の形が頭にあり、真珠を活かすデザインを暇があれば考えているという。

 

 

デザインが決まったら、糸を通すための穴を空けるという加工まで自身で行う。

 

自ら世界に赴き、選別し、加工する。これだけの時間を真珠に捧げてきた人間だからこそできる、個性的なパールを贅沢に使ったジュエリーは唯一無二の存在である。

 

  

「わが子を育てるような気持ち」で作られる海水パール

もう一つのこだわりが、淡水パールを扱わず、海水パールのみを扱うということ。淡水パールと海水パールの違いは主に2つあり、真珠の照りと希少性である。

 

淡水パールは一般的には海水パールより真珠層の透明度が低くそれが幾重にも重なるため、より透明度が落ちる。

 

層の透明度がより高い海水パールは、外からの光を反射することで様々な干渉色が出て、奥から光が重なっていくような深みのあるテリが生まれる。

 

続いて希少性について。

 

主に中国で産出される淡水パールは1つの貝から複数の真珠を養殖でき成長も早い傾向にあるため大量生産できるのに対し、海水パールは1つの貝から1つまたは数個の真珠しか養殖できない。

 

かつ、淡水パールは温度管理の簡単な池のような場所で育て手間が少ないのに対し、海水パールは海で育てるため、毎朝水温を確認し、適切な水温の場所へ真珠貝のついたイカダを移動させるなど手間がかかるという。

 

このように、淡水パールと海水パールでは、出来ていくまでの過程、ストーリー、そして、作っている人の心や時間量が全然違うのである。


出口さんは業界を色々見てきた中で、とある海水パールの作り手が言っていた、

 

「貝は生き物、我が子を育てる気持ちで対話しながら作っている」

 

という言葉が今でも心に残っている。1粒1粒に長い時間をかけ作り手の想いがこもり、希少性の高い海水パールこそ自分が扱うべき真珠だと思うに至ったそうである。

 

目の前のお客様を幸せに

202011月には伊勢神宮に程近い場所にアトリエ兼ショップのBAROUE ROOMをオープンした。築50年のビルの一室を借り、仲間の知恵に助けてもらいながら作りあげたという。

 

こちらでは出口さんの制作作業を見たり、好きなパールルースを未加工の物の中から選び、穴開け、接着、ネックレスを糸で組む作業などを体験をすることができる。新たな旅の目的地として皆様の心に残ればうれしい。

 

住所:三重県伊勢市八日市場町3-26 有文堂ビル2階

 

道を切り開きながら歩いてきたこれまでは、決して平坦な道ではなかった。そんな中でも出口さんが続けられたのは、そして、この道をこれからも歩き続けようと思う力の源はお客様の声とのこと。

 

目の届く範囲、足の運べる範囲で幸せを作っていく、そして目の前のお客様の、「良かったよ、好きだよ」の声が活力になると。

 

 

【購入者の声】

  • これまでファストファッションを着ませんでしたが、出口さんのジュエリーを購入した後は、ファストファッションを購入するようになりました。

    シンプルな服に出口さんのジュエリーを付けるだけで、もう全く別物にかわるので、ファストファッションも気にならなくなりました。
     
  • 向かいから歩いてくる人がバロックパール、ケシパールをふんだんに利用したデザインのジュエリーを身に着けていて、出口さんの作品だとすぐ分かりました。
     
  • 病気になり入院したとき、出口さんのジュエリーが、私が元気になって社会に戻るための希望でした。おかげさまで完治し、仕事時に身に着けています。出口さんのジュエリーを身に着けないと、私の一日が始まらないんです。

 

※その他、先日のコレクション展示では、大御所の著名女性ファッションデザイナーがフラッといらっしゃり、「あなたのジュエリー素敵よ。格好いいわ。続けなさい。」と声をかけてくださったことも力をくれたそうです。

 

 

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