ウィング・クラブ

気づいた「好き」をとことん
図面からつくる超精密模型

 Yutaka Futaba

 

「待ってでも欲しいものがそこにはあるよ」

 

そう知人から聞いた翌々日に、私は青山へ足を向けた。

 

東京青山の骨董通り沿い、ウイング・クラブが目的地である。

 

2階にある店舗へと昇る階段の途中から目に入る飛行機模型の数々。

 

扉を開けた先には所狭しと航空機、戦艦、エンジンなど様々な模型が並べられていた。

 

 そしてショーケースに近づけば近づくほど驚きは大きくなった。

 

コックピット、エンジン、さらにはピトー管(航空機の速度を測るための細い管)に至るまで、細かな部品一つ一つが精密に作り込まれているのである。

 

自分で組み立てるプラモデルとは一線を画す、プロの作る模型との出会いがそこにはあった。

 

「好き」に気付けたことから始まった

全てはカルフォルニアの空港で、ウイング・クラブ代表の矢野雅幸さんが飛行機のデスクトップモデル(机の上に載るくらいのサイズの模型)と出会ったことから始まった。

 

「デザイナーだった僕はデスクトップモデルを見て機体を簡略化しているのにプラモデルにはないデザインを感じましたし、子供の時に観た映画で、司令官の部屋の机に置いていたモデルを想い出しました」

 

と矢野さんは振り返る。

 

この時購入した模型の一つが、写真のX-1、世界で初めて水平飛行で音速を突破した有人航空機である。

 

飛行機が「好き」、という、自分自身のやりたいことに気づけたことが、「好き」を仕事にするうえでまず重要だったという。銭勘定でも損得でもなく、好きだからとことんやれるのだと。この出会いをきっかけに、矢野さんはデザイナーの傍ら、飛行機モデルの輸入販売を始めたのだった。

 

「好き」を続けるためには、独自に考えて独自にやる

現在のウイング・クラブは単に海外から完成品模型を輸入しているわけではない。独自のモデルを製作するために、自社で図面を書き起こし、常に新しい資料を集め、機体のプロポーションと色を正確に再現しているのだ。

 

そして、図面を模型として製造にするために、誰かが精巧なモデルを作っていると聞けば、普通の人なら行かないような国までも会いに行き、15か国のモデラ―やメーカーに会い、矢野さんの要求に合うパートナーを見つけて今に至ったとのこと。

 

また、模型にはつきものの損傷や破損についても、

 

「あれだけ壊れていたのによく修理したね!」

 

とお客様に言われることが矢野さんの誇りだそうで、自社でモデラ―を抱えることで、よほどの壊し方をしない限り修理し、常に完璧な状態(経年変化はそのお客様の歴史)を愉しんでいただけるようにしている。

 

お店は「好き」を集めた1つの作品

矢野さんの楽しみは2つある。

 

1つは、自分自身が欲しいと思う完成品モデルを、一番初めに見ることが出来ること。

 

なるほど、「好き」を仕事にした人ならではである。

 

そしてもう1つは、モデルを介して様々な人と知り合える事。

 

矢野さんにとって1つの作品であるお店にお客様に来ていただいて、お客様も社長も社員も関係なく、モデルが好きな人として平等な関係で話しがはずむ。そうして楽しんで帰途についてもらえることが何よりだと。

 

 

ぜひ、自分自身との会話を

自分が「好き」なことに気付くことは簡単なことではないと思う。

 

By Emotionは誰かの「好き」を取り上げさせていただいており、みなさまが「好き」に気付くキッカケになれば大変うれしい。

 

そして、「好き」を見つけた方、「好き」に向かって挑戦を始められる方の傍らにこの模型があることが、飛び立つ力の一助となりますように。

 

商品

「飛ばねぇ豚は、ただの豚だ」をいつでも胸に。リアルな質感に目を見張る[超精密手作り模型]

¥940,000~

Read story

日本独自の哲学で世界を驚愕させた飛行機を傍らに。超精密手作り模型の構造美から膨らむ想像の旅へ

¥990,000~

Read story