卓越した技巧によるクーラーと
杜氏の執念が生んだ泡酒
中川木工芸 シャンパンクーラー「WAVE」+ 滝澤酒造 「菊泉ひとすじ ロゼ」
通常販売価格
- 木桶の技法によるオーダーメイドのシャンパンクーラーと、瓶内二次発酵(充填ではない天然のガスによる発泡)の「泡酒」のセット
- シャンパンクーラー は釘や接着剤を使わず、板を組み合わせて下部のタガだけで固定
- 泡酒はシャンパンの製法も採り入れて造られた発泡性の日本酒。年間生産数わずか1,500本
中川木工芸比良工房の「WAVE」
およそ700年前、室町時代に大陸より伝えられた木桶の製作技法。中川木工芸は当時から受け継がれる伝統的な技法で寿司桶やおひつなど白木の美しい木製品を制作しています。
三代目の周士さんが琵琶湖のほとりに「中川木工芸比良工房」を開いたのは2003年。以来、デザイン性に富んだ革新的な作品をつくり続け、2010年には著名シャンパンブランドも認めたシャンパンクーラーを制作するなど、国内外から高い評価を得ています。
Behind the Scenes <中川木工芸比良工房>
言語化されない思想や哲学を
手を動かし木桶の技で具現する
はじめにカチッとしたコンセプトを立ててそれを具体化するのではなく…
曲線が美しいシャンパンクーラー、WAVEはデザイン×技術で創られます。PCで図面をひき、工程通りに仕上げてゆくのですが、15枚ほど板を切り出し、削り、合わせて1つ完成させるまでに丸2日間。極端なほど下にとられた箍が支点となり、広がろうとする底板の力を上方を締める力に転じさせています。さらに特筆すべき点は多角形であること。
「WAVE」シリーズ
本来木桶はアーチ構造をその原理とするため、丸い形がほとんど。一見それとは別物に見える多角形のWAVEも同じ原理をベースにしていて、多角形を異なる大きさの円の集合とみなし、隣り合う大きさの異なる円の中心点を直線状に配置することにより安定させています。このように、自由で感覚的につくられているように見えるWAVEは、緻密な計算と論理に裏打ちされた形をしています。
ご紹介するのは三角形、四角形、五角形。いずれもご注文をいただいて制作されます。シャンパンでなくとも、何を入れるかは使い手次第。色々な用途でお楽しみください。
滝澤酒造の「菊泉 ひとすじ ロゼ」
発泡性の日本酒はしばしば目にしますが、先にお酒をつくって後でガス充填をしているものも多いのはご存知でしょうか。それらとは異なり、「菊泉 ひとすじ」は日本酒ながら一部にシャンパンと同じ製法がとられており、瓶内二次発酵で天然の炭酸ガスを生み出しています。その繊細な泡はさまざまな料理に合うため、食前酒としても、食中酒としても楽しめます。
<発泡性の日本酒について>
発泡性の日本酒は、製法において「天然発酵」・「炭酸ガス注入」に分けられます。また、天然発酵は「濁り」・「透明」に分けることができ、今回ご紹介する「菊泉 ひとすじ」は天然発酵・透明に分類されます。
深谷の名蔵・滝澤酒造
滝澤酒造は1863年(文久3年)に今の埼玉県小川町で創業。その後1900年(明治33年)に中山道深谷宿の街道沿いに蔵を移し、現在は6代目社長の滝澤英之氏が杜氏もこなす伝統ある蔵元です。
中山道に面した滝澤酒造の酒蔵
すぐ近くには、常夜灯の跡がある
そのレトロで味わい深い佇まいの蔵は、歴史ある深谷レンガの煙突がシンボリックな存在となっています。かつて石炭を燃料として火をおこしていたときに活躍していた23メートルもある煙突は、付近ではひと際目立つ存在。
遠くからでも目立つ煙突。現在は使用されていない
ひときわ手間のかかる泡酒づくり
深谷に移って120年。今でも酒づくりのほぼすべての作業が人間の手で行われています。たとえば、麹づくりの過程では温度と湿度の調節が大切で、24時間体制で見守らねばならないのですが、室(むろ)と呼ばれる麹づくりの作業場所は室内が30度程度、麹は40度以上にもなる過酷な場。
そこでかつては杜氏たちが上半身裸で力を込めて作業したのを、今でも滝澤酒造では人の手で麹づくりを行っています。
蒸された米をコンベヤで運ぶ
暖気(だき)入れという酒母づくりの際に
温度を高めて微生物のはたらきを活発にさせる作業
ここで生産されている泡酒「菊泉 ひとすじ」は通常の日本酒の生産過程と異なり、一手間も二手間も多くかけられています。瓶内二次発酵による炭酸ガスの発生が大事なのですが、それには凍えるほど寒い冷蔵庫内で毎日毎時間、瓶を人の手で1本ずつ何百本も回転させなくてはなりません。気が遠くなる作業で、大量生産できないのは一目瞭然。
蔵内には貯蔵タンクが並ぶ
「世界で飲んでほしい」から開発した、透明かつ発泡性のお酒
滝澤さんが発泡性の日本酒の開発を志したのは1995年、大学卒業後に蔵元に勤めていた頃。日々もろみの成分分析をする中で、「甘さと酸味の絶妙なバランスを再現したい」と考えたことが原点でした。そして研究を重ねて2008年に開発に着手し、2010年に現在でも販売されている「彩のあわ雪」として結実。ただ、滝澤さんはここで満足しませんでした。
折しも海外では日本酒が注目されはじめた頃。滝澤さんは世界で通用する、まったく新しい日本酒の開発に乗り出します。それが、瓶内天然発酵かつ透明な発泡性の日本酒でした。
「ヨーロッパでは、濁った酒は二級品と言われるんです」と言う滝澤さん。ただ、実現に至る道のりは試行錯誤の連続。
まず、瓶内発酵のガス圧が安定せず、再現性が確立できない。また、透明にするためには「おり」を除去する必要がありますが、ガスを抜かずにどのように「おり」だけ取り除くことができるか・・・。模索するなかで辿り着いたのが、シャンパンの製法でした。
「菊泉 ひとすじ」の製造工程をご紹介します。まず、瓶内で二次発酵をさせ、ガスを発生させる。ガスの元は酵母で、濁りの原因にもなります。ガス圧を上げる必要があるが、濁りが多くては後で取り除けない。滝澤さんは「ひとすじの酵母は『少数精鋭』、少なくてもしっかり発酵するんです」と話します。
15°C程度で二次発酵させ、ガス圧が高まってきたら冷却。そしてロットごとに気圧計をつけ、6〜7気圧になるまで瓶内で発酵させる。この間1ヶ月。
ロットの代表ボトルに気圧計をつけて日々計測する
十分にガス圧が高まったら、冷蔵庫に写して瓶の口を下にして貯蔵。毎日手作業で瓶をくるくると回し、周りに貼りついた「おり」を口の方に寄せていきます。大体20日間ほどこの作業をおこなうと「おり」が口に溜まるので、「ネックフリーザー」という機器を用いて瓶の口部付近だけを凍結させます。
商品には不要な「おり」をボトルの口部分に集める
凍えるような温度の冷蔵庫では、「おり」を集めるため
「ひとすじ」のボトルがボードに斜めに刺さっている。
20日に及ぶ工程で
各日のボトルを回す角度が書かれたシート
そうすると、瓶の上から個体(凍結された「おり」)・気体(ガス)・液体の三層に中身が分かれます。その後手作業で抜栓することで「おり」を飛び出させ、素早く酒と水を注入し、最後は63°Cで湯煎し加熱殺菌。
滝澤酒造は昨年、以上の製法特許を取得。この製法で天然発酵・透明の日本酒を作る蔵元は2020年秋の時点では国内はもとより世界で滝澤酒造以外には存在しません。
このように生産される「菊泉 ひとすじ」は生産数が限られており、「菊泉 ひとすじ ロゼ」は年産1,500本しかありません。また、滝澤さんの願いが叶い、香港、カナダ、ドイツなどへ出荷も増えているので、国内流通量は今後減少する可能性すらある、希少なお酒です。
Behind the Scenes <滝澤酒造>
世界で楽しんでもらえる日本酒をつくりたい。深谷の杜氏が「泡」にかける夢
「お酒とは、世の中を明るくするものなんです」と滝澤酒造(株)6代目蔵元、滝澤英之さんは言います。幼い頃は「酒蔵を継ぐのが嫌だった」滝澤さんが、杜氏となり世界に認められる...
商品詳細・配送・お問い合わせ
ご購入の際の注意点
- シャンパンクーラー「WAVE」は株式会社SoGooが販売、中川木工芸比良工房が発送、「ひとすじ ロゼ」は滝澤酒造が販売・発送します。お客さまへはそれぞれよりお届けいたしますので、予めご了承くださいませ。
- シャンパンクーラー 「WAVE」はご注文後に制作されます。商品代金は「ひとすじ ロゼ」とともにご注文時にお支払いいただきます。
- ご注文のキャンセル、内容変更(追加/変更)は一切お受け致しかねます。ご注文完了前にご注文内容を必ずご確認ください。
- 商品の品質については万全を期しておりますが、万一、配送中の事故等で商品に損傷があった場合や、お申込みの商品と異なっていた場合は、お手数ですが、商品到着後5日以内に弊社にご連絡ください。この場合の返送料は、弊社が負担致します。
- 法律により20歳未満の酒類の購入や飲酒は禁止されており、酒類の販売には年齢確認が義務付けられています。
シャンパンクーラー 「WAVE」
(三角形)285×180×高さ232mm
(四角形)275×255×高さ232mm
(五角形)260×240×高さ232mm
・当商品はご注文後に制作されます。
・約3ヶ月後にお届けします。
・商品代金はご注文時に全額をお支払いいただきます。
「ひとすじ ロゼ」
全国一律 1,136円