暮らしの中で出会う、国宝級の造形美。仏像ブランド「イスム」の世界

暮らしの中で出会う、国宝級の造形美。仏像ブランド「イスム」の世界

寺院や博物館で、静かに向き合う仏像。何百年もの時を超えて受け継がれてきたその姿には、造形の美しさだけでなく、つくり手の技術や祈り、長い年月が刻まれています。


そんな仏像の魅力を、もっと身近な場所で味わえるようにしたのが、株式会社MORITAが展開する仏像ブランド「イスム」です。今回は、仏像を美術品やインテリアとして暮らしの中で楽しむという、新しい文化を提案するイスムのものづくりと、By Emotionで取り扱うミニチュア仏像をご紹介します。それぞれの仏像が持つ意味や由来、信仰の中で語られてきたご利益、暮らしに飾る際のイメージもあわせて紐解きます。




仏像を、日々の暮らしの中へ

イスム 弥勒菩薩——暮らしの中に置かれた仏像フィギュアのイメージ


イスムが提案するのは、仏像を信仰の対象としてだけでなく、心を豊かにする美しい造形作品として楽しむこと。国宝や重要文化財に指定された像を中心に、日本を代表する仏像の魅力を、現代の住空間にも飾りやすいサイズで表現しています。


仏像をメインとした美術工芸品を半世紀にわたり扱ってきたイスム。その長年の経験と知識を生かし、実物が持つ姿形だけでなく、数百年の時を経た質感や空気感まで再現することを目指しています。仏像に詳しい方はもちろん、彫刻や歴史、美しいインテリアに惹かれる方にも、仏教美術の新しい楽しみ方を教えてくれるブランドです。


仏像や日本美術を好む方への贈り物にも

精巧な造形を身近に楽しめるイスムの仏像は、ご自身のためのインテリアとしてはもちろん、仏像や歴史、日本美術を好む方への贈り物として選ぶのもよいでしょう。それぞれの仏像が持つ意味や物語に思いを重ねながら選べるのも、こうした作品ならではの魅力です。

 

イスムの作品の魅力

美しさを左右する、原型へのこだわり

精巧な仏像を生み出すうえで、すべての基準となるのが「原型」です。イスムでは、熟練した仏師や造形師に原型制作を依頼。実物の資料を細かく検証しながら、身体のバランス、衣の重なり、指先の動き、表情の機微に至るまで、緻密に形づくっていきます。


原型の完成までにかかる期間は、一般的に2か月から5か月ほど。単純に実物を縮小するのではなく、小さなサイズでも本来の存在感や印象が失われないよう、造形上の調整が重ねられています。腕の太さがわずかに違うだけでも、像全体の印象は変わります。細部を忠実に写す技術と、仏像そのものが持つ力を見極める感性。その両方が求められる工程です。



指先の表情まで写し取る、ポリストーン

イスムシリーズの多くに使用されているのが、石粉と合成樹脂を混ぜてつくられる「ポリストーン」という素材です。細かな造形を写し取る再現性と、石のような重量感を兼ね備え、指先や衣文、髪の毛筋といった繊細な部分まで表現できます。また、顔料や金箔とも相性がよく、木彫像、塑像、金銅像など、それぞれ異なる仏像の質感を再現するのに適しています。


原型から型を取り、成形したパーツを組み立て、接合部分をパテで埋め、表面を滑らかに磨く。こうした工程の多くは、熟練した職人の手によって行われます。機械で効率よく量産するだけでは生み出せない、わずかな曲線や自然な肌の質感が、一体一体の佇まいをつくっています。



数百年という時間まで描く、彩色技術

イスムの仏像の魅力は、精密な形だけではありません。金箔の剥落、木肌の色むら、長い年月を経て落ち着いた顔料の色合いなど、実物の仏像がまとっている「時間」まで、彩色によって表現されています。現存する像の写真や資料を確認しながら、顔料や箔を用いて職人が手作業で塗り分けます。気温や湿度、彩色する部位に合わせ、素材の配合や顔料の濃度を変えることもあるといいます。


なかでも像の印象を決定づけるのが、眼差しです。静かな慈悲、深い思索、揺るぎない決意。わずかな線と色の重なりによって生まれる眼差しが、手のひらほどの像にも、確かな生命感を与えています。



意味・ご利益から選ぶ、イスムのミニチュア仏像6選

静かな微笑み、鋭い眼差し、力強く踏み出す姿。仏像は、それぞれに異なる物語と個性を宿しています。ここでは、By Emotionで取り扱う6つの作品を、それぞれの仏像の意味や由来、信仰の中で語られてきたご利益、造形の見どころとともにご紹介します。なお、ご利益は古くからの信仰や伝承に基づくものであり、特定の効果を保証するものではありません。



阿修羅

イスム 阿修羅 Standard——三面六臂、憂いをたたえた表情を再現した国宝・興福寺阿修羅像のフィギュア

イスム 阿修羅 S-CLASS——乾漆像特有の表面のひび割れまで丹念に造型


阿修羅とは|三つの顔に込められた意味

阿修羅とは、もとは戦いを司る神であり、仏教に帰依した後は仏法を守護する存在となった仏像です。争いや葛藤を越えて心を整える象徴としても受け取られています。三つの顔と六本の腕を持つ、ひときわ印象的な姿の阿修羅。正面の顔には静かな憂いが漂い、左右の顔にはそれぞれ異なる感情が表れています。


イスムの阿修羅は、八頭身の細身の身体や複雑に伸びる六本の腕、三つの顔に宿る繊細な表情を丁寧に再現。見る角度によって異なる表情に出会える、静けさと緊張感を備えた一体です。美しい顔立ちに惹かれながら見つめていると、その内側にある葛藤や祈りにまで思いを巡らせたくなります。




不動明王立像

イスム 不動明王立像 Standard——運慶作・重要文化財をモデルにした憤怒相の仏像フィギュア

イスム 不動明王立像 Standard——巻髪、天地眼を忠実に再現


不動明王とは|ご利益と怒りの姿に込められた慈悲

不動明王とは、煩悩や迷いを断ち切り、人々を正しい道へ導く明王です。厄除け、災難除け、立身出世などのご利益で信仰されてきました。燃え上がるような憤怒の表情を見せる不動明王。その怒りは、煩悩に迷い、悟りの道から外れた人々を必ず救うという強い決意の表れです。右手には煩悩を断ち切る剣、左手には人々を救い上げるための羂索を持っています。


デスクや小さな棚にも飾りやすいコンパクトなTanaCOCOROモデルは、長野県諏訪市の仏法紹隆寺が所蔵する長野県宝「不動明王立像」、ひと回り大きく、造形や空間での存在感をより楽しめるStandardでは、神奈川県横須賀市に伝わる運慶作の重要文化財「木造 不動明王立像」を再現しています。鋭い眼差し、力強く踏みしめる足、衣や炎の躍動感。小さな像の中に、揺るぎない意志と迫力が凝縮されています。自分を奮い立たせたいときや、迷いを断ち切りたいとき、静かに背中を押してくれるような存在です。



弥勒菩薩

イスム 弥勒菩薩 TanaCOCORO——国宝彫刻第1号・広隆寺の半跏思惟像を再現した仏像フィギュア

イスム 弥勒菩薩——頬に寄せた思惟手と流れるような指先のクローズアップ


弥勒菩薩とは|半跏思惟像の意味と救済の願い

弥勒菩薩とは、遠い未来にこの世へ現れ、人々を救済するとされる菩薩です。慈悲や智慧の象徴として信仰され、心の安らぎや未来への希望を願う存在としても親しまれています。片足をもう一方の膝にのせ、頬に指先を添えながら思索する弥勒菩薩。モデルは、国宝彫刻第1号として知られる飛鳥時代の「弥勒菩薩半跏思惟像」です。遠い未来に人々を救うとされる弥勒菩薩が、どのように衆生を救済すべきか、深く考える姿を表しています。


本作品では、やわらかな微笑、流れるような指先、すらりとした身体の線を丁寧に造形。さらに、実像の木目や頭部に残された虫食いの跡まで再現されています。ただ穏やかなだけではない、長い思索の先にたどり着いたような静けさ。デスクや書斎など、落ち着いて物事を考える場所にもよく似合う一体です。




大日如来

イスム 大日如来 TanaCOCORO——運慶のデビュー作・奈良・円成寺国宝をモデルにした仏像フィギュア

イスム 大日如来——顔の金箔の剥落具合まで一体ずつ丁寧に彩色


大日如来とは|意味とご利益、運慶作の見どころ

大日如来とは、密教において宇宙そのものを象徴し、すべての仏の根源とされる仏です。あらゆるものを照らす智慧と慈悲を表し、開運や厄除け、現世安穏を願う信仰とも結びついてきました。モデルは、奈良・忍辱山円成寺が所蔵する国宝「木造大日如来坐像」です。鎌倉時代を代表する仏師・運慶の現存最初期の作品であり、その才能を世に示したデビュー作として知られています。


やや後ろに反った堂々とした身体、肉感を感じさせる胸や腕、緻密に刻まれた頭髪と衣文。本作品は、手のひらサイズでありながら、如来としての威厳が損なわれることなく表現されています。顔に施された金箔の剥落も一体ずつ丁寧に彩色。黄金に輝く華やかさだけでなく、長い時間を経た国宝像ならではの深みを感じられます。静かに手を組むその姿は、空間に凛とした軸を与えてくれます。




毘沙門天

イスム 毘沙門天 Standard——片手に宝塔を捧げ持つ、運慶作・国宝をモデルにした守護神の仏像フィギュア

イスム 毘沙門天 TanaCOCORO——玉眼(ぎょくがん)を6工程の彩色で表現した細部のクローズアップ


毘沙門天とは|財運・勝運などのご利益

毘沙門天とは、仏法と人々を守る武神であり、勝運、財運、家内安全、厄除けなどのご利益で信仰されてきた仏です。甲冑を身につけ、足元の邪鬼を踏みしめる毘沙門天。仏法を守る四天王の一尊であり、単独では戦勝の神、財運をもたらす福徳神として信仰されてきました。七福神の一尊としても親しまれています。


本作品のモデルは、2013年に国宝に指定された運慶作の「木造 毘沙門天立像」。黒光りする力強い身体、鋭い眼差し、動きのある衣と甲冑など、運慶円熟期のダイナミックな造形が表現されています。Standardモデルでは、玉眼の輝きを表現するために彩色を6回重ね、長い年月を経た像の風合いまで再現。足元で像を支える邪鬼や、手に持つ宝塔、甲冑の装飾も見どころです。守る力と、前へ進む力。その両方を感じさせる、存在感のある一体です。




手のひらに収まる仏教美術「極小仏シリーズ」

MORITA 極小仏シリーズ 阿修羅——国宝阿修羅像を高さ約95mmの細密木彫りで再現

MORITA 極小仏シリーズ 弥勒菩薩——極小仏ロゴを箔押しした特製桐箱に収められた約78mmの細密木彫り仏像


デスクや玄関に飾れる、手のひらサイズのミニチュア仏像

極小仏とは、日本を代表する仏像の姿を、デスクや棚、玄関にも飾りやすい小さなサイズで表現した木彫仏です。極小仏シリーズは、阿修羅、弥勒菩薩、大日如来、不動尊、毘沙門天、風神・雷神などを、わずか10cm前後の小さな木彫で表現しています。素材には、木目が細かく緻密な彫刻に適したツゲを使用。小さな顔の表情、指先、衣のひだ、装飾まで彫り込み、手のひらに収まるサイズの中に、それぞれの像の個性を凝縮しています。


阿修羅は高さ95mm、弥勒菩薩は78mm、大日如来は95mm、武田不動尊は106mm、泥足毘沙門天は110mm。小型で飾る場所を選びにくく、デスクや棚、玄関などにも自然に取り入れられます。それぞれ、極小仏のロゴを箔押しした特製の桐箱入り。仏像や歴史が好きな方への贈り物としてはもちろん、小さな美術品を集める楽しみも広がります。精巧さを間近で眺めるほど、「これほど小さな木の中に、どのように彫り込んだのだろう」と、つくり手の技術に驚かされるシリーズです。



仏像と向き合う、静かな時間

イスム 阿修羅——朝の光の中、暮らしの空間に置かれた仏像フィギュアのイメージ


仏像は、必ずしも特別な場所だけで鑑賞するものではありません。朝の光が入る棚の上。仕事をするデスクの傍ら。ゆっくりと本を読む部屋の一角。暮らしの中に置き、日々異なる光や角度から眺めることで、美術館では気づかなかった表情や造形に出会うことがあります。力強さに背中を押される日もあれば、穏やかな眼差しに心が落ち着く日もある。仏像と向き合う時間は、自分自身の心と静かに向き合う時間にもなります。


何百年もの時を超えて守り伝えられてきた日本の造形美を、現代の暮らしへ。イスムの仏像から、ご自身の心に残る一体を見つけてみてはいかがでしょうか。