「循環したい。共存したい」
思いに、Emotionを感じます
my Emotion vol.12
和泉 詩織さん
By Emotionが目利きの方々に、
思わず気持ちが動くモノを伺う「my Emotion」。
第12回は、北海道・函館市のキャンドルショップ
710CANDLE 主宰の和泉 詩織さん。
2022.8.5
今は改善しましたが、数年前に息子の重度のアトピーやアレルギーに悩まされていました。正常な皮膚が鼻の頭だけになり、身体中の皮膚が剥がれ落ちていきました。昼夜共に泣き叫ぶ我が子を抱えて、外にもいけず部屋の中で私も泣きながら1年以上もただただ彷徨っていました。
その後、腸内環境や食生活の改善をし、息子だけではなく自分自身も体調が改善していった経験があります。
今回「my Emotion」と聞いて、「よしもりまきば」さんの米や大豆が頭に浮かびました。
日々ひたむきに自然と向き合うよしもりまきばさん。先祖代々受け継がれてきた慣行栽培から、自分の代で自然栽培や有機栽培もスタートされました。挑戦するその姿勢に感銘を受けました。
なんとなく遠い存在に聞こえてしまっていたSDGs。商業ベースの「自然派」ではなく、農薬や除草剤の単純な批判でもなく、私たちが自分の力で地球のために日常から変化することや出来ることはなんだろう、と思い返させてくれます。
新たな一歩を踏み出すこと。挑戦するということは、勇気のいることです。
「循環したい。共存したい。次世代にきれいなままで残したい。まずは出来ることから。小さな一歩から」という思いに、とてもEmotionを感じます。
「循環」というテーマに共感させていただいていて。キャンドルは一度使ったら捨てられ、消費されていく存在とも感じています。そうならないように、循環するためにはどうしたらいいか?常に試行錯誤しています。
たとえば思い出のお花、葬儀やプロポーズのお花をお預かりしてキャンドルに。蝋を継ぎ足ししたり、ハーブや多肉植物を寄せ植えしたりと半永久的に再利用できるようにしています。ずっとずっと、そばに置いておきたい宝物のような存在になるように願っています。
よしもりまきばさんの農作物も、常にそばに置いておきたいような存在です。視界に入るたびに、口に入れるたびに、私の中のEmotionが溢れます。
By Emotionの中から選ばせていただいたものは2点です。
昔ながらのものがどんどん減っていっている中で、高倉工芸の箒にはとても惹かれています。私の別荘には畳の部屋がありますが、菌を排除せず育てて共存する家を目指しています。醤油、味噌、麹、酢なども自分でつくっています。そんな畳をこの箒で掃いたら気持ちよさそうだなと。インテリアとしても馴染みますし、長く使えて「土に返る箒」を目指しているっていうのも素敵ですよね。
あとは日傘も魅力的ですね。美しくて、ぱっと目に入ってきました。傘をさす度に気分が上がり、前向きになれそうですね。こんな素敵な日傘があれば、暑い日でも外に出たくなってしまいそうです。外を散歩しながらインスピレーションが湧きそうで、新たな作品が生まれるかもしれません。
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和泉 詩織(いずみ・しおり)
710CANDLE ナナイチマルキャンドル主宰
1987年、北海道森町生まれ。2011年に東京でキャンドル講師として活動を開始し、函館市内にキャンドル専門店「710candle(ナナイチマルキャンドル)」オープン。その他、腸内環境改善の講師や女性起業支援、オーガニックコットンの栽培、日本で絶滅した和綿の復活プロジェクト、種から作り出す蝋の製造、自社生産した綿を使用しキャンドルの芯の製造、アトピーや皮膚トラブルで悩む方への下着・衣類の開発・安心安全な食の加工品のプロデュースなど幅広く活動。