生産量は年間200本のみ!
袋から滴る雫を集めた一本
滝澤酒造 菊泉 大吟醸 升田屋
通常販売価格
- 吊るされた酒袋から滴るお酒を一滴ずつ集めた
- クリアで飲みやすい大吟醸酒
- 年間生産わずか200本
一升瓶にして年間200本しか生産されないお酒
それは、吊るされた木綿の酒袋から一滴々々したたり落ちる雫を集めた大吟醸酒。他のお酒より手間ひまかけられた、「菊泉 大吟醸 升田屋」をご紹介します。
埼玉・深谷の蔵元「滝澤酒造」。14年前に杜氏となった滝澤 英之さんは、「今でも大吟醸の仕込みは緊張します」と話します。お酒の中でも日本酒は酒づくりのプロセスに味を左右するファクターが多く、同じ銘柄のお酒でも、年により味が微妙に変わるものだとか。
中でも大吟醸酒は仕込みに細心の注意が必要。適度なストレスを酵母に加えて発酵させることで良い香りを生み出しますが、加えすぎると発酵が遅れてしまい、良い味にはなりません。
滝澤さんが大吟醸酒をはじめて仕込んだ年は、仕込みが低温になりすぎて発酵が遅れ、狙う味を出せませんでした。結果、先代の杜氏から獲得し続けていた全国新酒鑑評会の金賞を逃すことに。滝澤酒造がつくる大吟醸酒のもろみ日数は30日(ちなみに大吟醸酒以外は20日)ですが、その年は実に45日でした。つまり、酵母にストレスを加えすぎていたということになります。
杜氏になり、自分らしい良い酒をつくろう、というプレッシャーがあったと思います。
と語る滝澤さん。安定した味をつくることができるようになったのは4年目以降。それほどにデリケートなお酒なのです。
大吟醸酒「升田屋」の造りかた
日本酒は精米→洗米→蒸米→麹づくり→酒母づくり→もろみ→上槽のプロセスでつくられます。これは大吟醸酒も同じ。
まずは精米です。大吟醸酒には50%以下に精米された酒米をつかいます。精米、とは米粒の周りを削ること。酒米の真ん中には心白(でんぷん)があります。でんぷんの割合が高くなると、お酒はキレがよく、すっきり、香り高くなります。これが「淡麗」と表現される大吟醸酒の味の特徴です。升田屋は精米度合40%、つまり60%削った酒米を使用。
次のプロセスでは精米された酒米を洗います。吸水のスピードが早いので、ストップウォッチで計測しながら1秒単位で吸わせます(「限定吸水」)。
水の吸わせすぎは、溶けやすい米につながりいい麹ができません(雑味が多くなる)。逆に吸わせないと、次のステップで蒸す際に一部が生米になってしまいます。
タイミングをはかりつつ洗った米を次の日に蒸します。その後麹室(こうじむろ)に入れ、種麹をかけて麹づくり。
麹室に置く時間は56時間。種麹をかけた当日の夕方に米を切り返し、酸素を行き渡らせます。そして翌朝には温度管理のため、箱に移す「盛(もり)」という作業をおこないます。
あとは数時間おきに混ぜ、最終的には麹を42°Cに。麹をつくる過程は24時間管理。夜中でも人が付いて温度経過をチェックが必要です。そして、42°Cとなった次の日の夕方に麹は麹室から出されます。
「こしき」で精米された酒米を蒸す
麹室で蒸米に種麹をかけ、麹をつくる
出来上がった麹を広げているところ。この麹は翌朝タンクに投入される
次は酒母づくり。400ℓのタンクに水、麹、蒸した米を入れ、酵母を加えて櫂棒(かいぼう)で混ぜます。酒母の育成期間は約10日間。初日は仕込み。中の温度が均一になるように、時には手でも混ぜることも。
2日目は冷却。3日目以降は暖気樽(だきだる)をタンクに入れ、温度を上げます。日に2°C 温度は上がり、これを4、5日繰り返すことで20°Cにした後、2、3日間冷やして完了。
酒母づくりのプロセスは他のお酒と変わりませんが、手作業が入るのが大吟醸ならでは。ここでも繊細さが求められます。
お酒ができるまでもう少し。次はもろみづくりです。まず酒母を水、麹、お米とともにタンクに入れる。もろみづくりは三段仕込み。
一段目は「添(そえ)」。仕込んだ翌日は作業を休み、酵母を増殖させます(これを「踊り」といいます)。
二段目は「仲(なか)」。開始3日目に2回目の仕込みをします。この際、水・麹・米は初日の倍の量を入れます。
三段目は「留(とめ)」。4日目には3回目の仕込みとして、「仲」で仕込んだ量の1.5倍の水・麹・米を投入。
添→仲→留で温度を13→9→7°Cと低下させます。大吟醸はもろみの温度が低いことが特徴。酵母自体は20°Cくらいが発酵しやすいけれど、それではどうしても雑味が出てしまいます。かといって低温すぎては発酵しない。「このバランスが難しいんです」と滝澤さんは言います。
最終の工程は上槽。ここでもろみを酒粕とお酒に分けます。
「升田屋」は他のお酒は機械で圧搾するところ、もろみを10ℓの木綿の酒袋に入れて棒に吊るし、重力でお酒を滴らせます。全50袋の雫を集めたお酒は、雑味がなくピュアな味。
吊り下げられた酒袋
大吟醸酒は、正月明けに仕込まれます。つまり、今飲めるのは前冬の最も寒い時期につくられたお酒。蔵元の粋を尽くした「升田屋」を、じっくり味わってください。
Behind the Scenes <滝澤酒造>
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