この口あたりはきっと未知
長年の試行を経て生まれた泡酒
滝澤酒造 菊泉ひとすじ・菊泉ひとすじ ロゼ
通常販売価格
- 日本酒ながらシャンパン製法を採用、炭酸も天然
- ロゼは年産1,500本。手間と時間のかかる限定生産
- 食前、食中酒として和洋食に合う守備範囲の広さ
当商品には、「紅麹」は使用されておりません。
IWC(International Wine Challenge)2021 SAKE部門 スパークリングの部において、「菊泉 ひとすじ」・「菊泉 ひとすじロゼ」が金賞受賞、そして「菊泉 ひとすじ」は金賞受賞酒の中でも最優秀賞となるスパークリングトロフィーを受賞しました。
「菊泉 ひとすじ」がKura Master 2020で金賞を受賞しました。
○天然炭酸ガスを瓶内で発生 ×後からガス充填
発泡性の日本酒はしばしば目にするが、先にお酒をつくって後でガス充填をしているものも多い。それらとは異なり、「菊泉 ひとすじ」は日本酒ながら一部にシャンパンと同じ製法がとられており、瓶内二次発酵で天然の炭酸ガスを生み出している。
それゆえ、その繊細な泡はさまざまな料理に合い、食前酒としても、食中酒としても楽しめる。この「菊泉 ひとすじ」は、埼玉県深谷市の蔵元・滝澤酒造で大吟醸、吟醸、純米、本醸造、生酒とともに造られている。
<発泡性の日本酒について>
発泡性の日本酒は、製法において天然発酵/炭酸ガス注入に分けられます。また、天然発酵は濁り/透明に分けることができ、今回ご紹介する「菊泉 ひとすじ」は天然発酵・透明に分類されます。
深谷の名蔵・滝澤酒造
滝澤酒造は1863年(文久3年)に現在の埼玉県小川町で創業。その年はアメリカではリンカーン大統領の下で南北戦争が続き、イギリスではロンドンに世界初の地下鉄ができ、日本では高杉晋作が奇兵隊を編成するなど日本も欧米も動乱のさなかであり、長い歴史をもつ名蔵だ。
その後1900年(明治33年)に中山道深谷宿の街道沿いに蔵を移し、現在は6代目社長の滝澤 英之氏が杜氏もこなす伝統ある蔵元。
中山道に面した滝澤酒造の酒蔵
すぐ近くには、常夜灯の跡がある
そのレトロで味わい深い佇まいの蔵は、歴史ある深谷レンガの煙突がシンボリックな目印となっている。かつて石炭を燃料として火をおこしていたときに活躍していた23メートルもある煙突は、付近ではひと際目立つ。
遠くからでも目立つ煙突。現在は使用されていない
ひときわ手間のかかる泡酒づくり
深谷に移って120年。当時と変わらぬ蔵の梁、扉、壁は素晴らしく、酒づくりのほぼすべての作業が人間の手で行われている。発酵食品の製造工程も近年はオートメーション化が進み、大型機械が導入される中では貴重である。そもそも滝澤酒造では、かつては南部杜氏が東北から来て冬場は常駐していたほど。
麹づくりの過程では温度、湿度の調節が大切であり、24時間体制で見守らねばならない。麹づくりこそ日本酒づくりの命といっても過言ではないが、室(むろ)と呼ばれる麹づくりの作業場所は、室内が30度程度、麹は40度以上にもなり大変な作業が行われることは想像に難くない。
滝澤酒造では今も昔も、杜氏たちが力を込めた手で麹づくりを行っているのだ。
蒸された米をコンベヤで運ぶ
暖気(だき)入れという酒母づくりの際に
温度を高めて微生物のはたらきを活発にさせる作業
ここで生産されている例の泡酒は通常の日本酒の生産過程と異なり、一手間も二手間も多くかけられている。実際につくられているさまを目の当たりにすると、グラス一杯のお酒が愛おしくなるほどだ。
瓶内二次発酵による炭酸ガスの発生が大事なのだが、それには凍えるほど寒い冷蔵庫内で毎日毎時間、瓶を人の手で1本ずつ何百本も回転させなくてはならない。気が遠くなる作業で、大量生産できないのは一目でわかる。
蔵内には貯蔵タンクが並ぶ
「世界で飲んでほしい」から開発した、透明かつ発泡性のお酒
滝澤さんが発泡性の日本酒の開発を志したのは1995年、大学卒業後に蔵元に勤めていた頃。日々もろみの成分分析をする中で、「甘さと酸味の絶妙なバランスを再現したい」と考えたことが原点だ。そして研究を重ねて2008年に開発に着手し、2010年に現在でも販売されている「彩のあわ雪」として結実する。ただ、ここで満足はしなかった。
折しも海外では日本酒が注目されはじめた頃である。滝澤さんは世界で通用する、まったく新しい日本酒の開発に乗り出す。それが、瓶内天然発酵かつ透明な発泡性の日本酒だった。
「ヨーロッパでは、濁った酒は二級品と言われるんです」と滝澤さんは言う。ただ、実現に至る道のりは試行錯誤の連続。
まず、瓶内発酵のガス圧が安定せず、再現性が確立できない。また、透明にするためには「おり」を除去する必要があるが、ガスを抜かずにどのように「おり」だけ取り除くことができるか・・・。模索するなかで辿り着いたのが、シャンパンの製法だった。
「菊泉 ひとすじ」の製造工程をご紹介しよう。まず、瓶内で二次発酵をさせ、ガスを発生させる。ガスの元は酵母で、実は濁りの原因にもなる。ガス圧を上げる必要があるが、濁りが多くては後で取り除けない。滝澤さんは「ひとすじの酵母は『少数精鋭』、少なくてもしっかり発酵するんです」と話す。
15°C程度で二次発酵させ、ガス圧が高まってきたら冷却する。そしてロットごとに気圧計をつけ、6〜7気圧になるまで瓶内で発酵させる。この間1ヶ月。
ロットの代表ボトルに気圧計をつけて日々計測する
十分にガス圧が高まったら、冷蔵庫に移して瓶の口を下にして貯蔵。毎日手作業で瓶をくるくると回し、周りに貼りついた「おり」を口の方に寄せていく。大体20日間ほどこの作業をおこなうと「おり」が口に溜まるので、「ネックフリーザー」という機器を用いて瓶の口部付近だけを凍結させる。
商品には不要な「おり」をボトルの口部分に集める
凍えるような温度の冷蔵庫では、「おり」を集めるため
「ひとすじ」のボトルがボードに斜めに刺さっている。
20日に及ぶ工程で
各日のボトルを回す角度が書かれたシート
そうすると、瓶の上から個体(凍結された「おり」)・気体(ガス)・液体の三層に中身が分かれる。その後手作業で抜栓することで「おり」を飛び出させ、素早く酒と水を注入し、最後は63°Cで湯煎し加熱殺菌をする。
滝澤酒造は昨年、以上の製法特許を取得した。この製法で天然発酵・透明の日本酒を作る蔵元は2020年秋の時点では国内はもとより世界で滝澤酒造以外には存在しない。
このように生産される「菊泉 ひとすじ」は生産数が限られており、「菊泉 ひとすじ」が年産3,000本、「菊泉 ひとすじ ロゼ」では1,500本しかない。また、滝澤さんの願いが叶い、香港、カナダ、ドイツなどへ出荷も増えているので、国内流通量は今後減少する可能性もある。
<菊泉 ひとすじ>
シャンパン製法でつくられた瓶内二次発酵のスパークリング清酒。濁りない淡いゴールド色で、甘みが残りながらもスッキリタイプだ。個人的な感想となるが、刺身と共にいただくような辛口の冷酒とは対極にあると表現すれば良いだろうか。
まさに米からつくったシャンパンだ。口当たりはスッキリ、後から口の中に広がる甘さの絶妙なバランスが良い。和食から洋食まで幅広くマッチする。食前酒から食中酒としておすすめ。過去、他の発泡性の日本酒はいただいてきたが、その透明感と爽やかさに心底、脱帽した。
<菊泉 ひとすじ ロゼ>
世界初のロゼタイプのスパークリング日本酒。ロゼ=ピンク色を出す手段は①原料米(古代米)、②紅麹、③赤色酵母とあるが、滝澤酒造では赤色酵母を採用。なぜならば、甘みが出るからだ。しかし、赤色酵母は発酵力が弱く、そして酒に色を移すのは至難の技とのこと。具体的には企業秘密とのことで教えてもらえなかった。
美しい透明なロゼ色と泡。甘さと酸味の絶妙なバランス。野菜のディップやチーズなどと合わせてみてはいかが?また、デザートと一緒に合わせても良いだろう。
もはや日本酒であったことを忘れてしまうようなフルーティな味わい。このお酒はすべてお米からできているのだから驚きと感動だ。「ひとすじ ロゼ」は、米原料の泡酒としては極めて稀有な存在であるのだ。
日本酒の可能性を広げたい
泡酒は日本酒であるが、日本酒とは異なる。スパークリングワインのようで、シャンパンのようで、それとも違う。和食にも洋食にも、大福にもケーキにも、冷やっこにもチーズにも合う。飾りたい時も、友達とワイワイやりたい時も、どんなシーンにも負けない存在感。
日本人にも外国人にも、日本の伝統食文化の未来形としてぜひお試しいただきたい。まだ、百貨店でも居酒屋でもほぼ見かけないが、いずれは「泡酒」が世界の当たり前になることを心から願う。
商品詳細・配送・お問い合わせ
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ひとすじ
全国一律 1,136円
ひとすじ ロゼ
全国一律 1,136円