きものクチュール

着物をドレスとして纏う
職人が作る「伝統美」を日常に

着物文化を愛する人へのドレス

着物を当たり前に日常で着たい、けれど現実的にそこまでの日々のゆとりがない。そう思ったことのある人は一人や二人ではないだろう。私も元々は月に何度か特別な日ではなくとも着物を着るのが好きであった。

 

着物はそれそのものに大変価値があり、着物に帯という形で着るからこその配色美、所作美、素材美など語りつくせないほどの良さが感じられ、身に着けるだけで不思議と心が豊かになる。

 

ただ、それでも子供が産まれ、仕事も続けているバタバタした日々では、なかなか着物に袖を通す心の余裕を持つことができない。そんな中で出会ったのがオートクチュールの着物ドレス、季縁の「きものクチュール」だ。

 

 

留袖特有の華やかな色や刺繍が活かされる形であしらわれ、和の技術が美しく際立つブラックドレスとして着物を生まれ変わらせている。

 

デザイン自体が、「今」っぽいことも嬉しい。何であっても、「感覚的に目に美しい」ことは非常に重要なポイントである。そしてシンプルな型ゆえの着脱のしやすさも大きい。

 

私はウィーンに当時一歳の娘と二人きりの旅行をしたことがあり、二人旅の時点でなかなかの挑戦だったのだが、夜のパーティーに出席をする際、季縁のきものクチュールにさっと着替えるだけという工程のシンプルさにずいぶんと感動した。

 

着物を着るとなると、着物のほかに、襦袢、和装下着、足袋、草履、衿芯、帯、帯締め、枕、帯揚げ、そしてたくさんの紐などが必要となる。

 

さらに、ヘアセットも必要になる。季縁のきものクチュールであれば、ドレスアップに必要なのは、ドレス、ヒールの靴、そしてアクセサリー。それだけでスタイルが決まる上に、「日本の工芸美」という対話のネタになるところが、私にとってのきものクチュールの最大の魅力である。ウィーンでも、「日本人なのね。これは何の柄?着物素材なの?」などと対話を育んでくれた。

 

京が誇る伝統工芸を現代に紡ぐ

季縁のドレスをプロデュースしているのは、生まれも育ちも京都の中心の生粋の京女・北川淑恵さんだ。場所柄、幼いころから当たり前のように着物に慣れ親しんでいる。

 

ご存知の方も多いと思うが、京都は神事の行事が街中に浸透している。代々受け継がれる着物があり、それを着用するような伝統慣習もあるのだ。北川さんは、着物のことをよく理解しており、そして着物文化へのリスペクトがある。だからこそ、着物に表れている伝統技術を多くの人に手にとってもらいたいという想いできものクチュールをプロデュースしている。

 

京都においても伝統工芸の現状は厳しく、10年後には30%の伝統工芸がなくなるといわれている。北川さんは衰退していく京都の産業に、何か自分が出来ることはないかと模索をしていた。

 

季縁の立上げは北川さんの旧友が染職人から相談を受けたのがきっかけだった。「実はもう若手は自分しかいない。なんとか伝統工芸を残していきたいのだが、何か方法がないか一緒に考えてもらえないか?」着物に限らず、日本の伝統工芸全体の悲痛な叫びであった。

 

伝統工芸を残すことを考えると、継続的に職人の力を発揮できる場を作ることが必要であった。「現代の生活様式の中で、日々無理なく取り入れられつつ、職人の技術が表現できるようなプロダクトは何か。」一年模索し、やっと最後に着物ドレスのアイディアに至ったという。

 

 

当初は白生地にデザインを考え、友禅染や刺繍などを施す方法を検討していたものの、思いもよらず、困難に直面することになる。

 

そもそも、着物を作るときには、染問屋(そめどんや)さんという着物制作のプロデューサーが存在する。呉服屋さんと染問屋さんがお客様と職人の間に立ち、お客様の好みとニーズを聞き、それを得意分野とする各職人に仕事を振り分けるのだ。

 

それはかなりのプロデュース力とマネジメント力を必要とし、いきなり職人たちと独立して進めようとしても簡単に出来ることではなかった。いろいろと試行錯誤を重ねた結果、ドレスの型と、一つの型染めの模様を作り、模様の配置をお客様に決めていただくという方法を取ることにしたのである。

 

このゼロからの着物ドレスのオートクチュールサービスは、現在でも季縁で取り扱われている。ただ、工程からもお分かりになるよう、決して安価に提供できるプロダクトではなかった。

 

これでは、当初の「日々無理なく取り入れる」コンセプトは到底達成できない。北川さんはそこからさらに試行錯誤を重ね、既に存在する反物や着物からドレスに仕立て上げるという方法にたどり着いた。一反の布をつなぎ合わせ、ドレスの形にする。幅はたったの35cmほどしかない反物を、ドレスの形にリメイクするということだ。

 

北川さんたちはもう着用されなくなった着物や、仕立てられることもなかった反物のなかでも、とりわけ技術がふんだんに取り入れられていた質のいいものに着目した。

 

季縁のきものクチュールの元の着物に黒留袖が多くなりがちなのは、柄が大きく、ドレスにリメイクしやすいからである。色物もなくはないが数は少ない。日本の文化を伝える美しい柄が染めや刺繍でほどこされた留袖を探しストックしている。

 

一反の反物から生まれるたった一つのドレス

着物ドレスを作るのは、着物の形になっているものからスタートする場合はそれをきれいにほどくところから始まる。着物はたった一反の布からあの立体的な形を作り出しているだけあって、縫い合わされる接点が非常に多い。

 

そのため、「ほどき屋さん」という専門家に依頼して一度ほどき、そしてまた前身頃、後身頃の柄をそれぞれきっちりと合わせて、元の柄に再構成をしながらつなぎ合わせ、一反の反物の状態に戻している。

 

実はこの柄の再構成はとても難解だという。なにせ幅35cmで、長さは12メートルもあるのだ。しかし、どれだけ難しい作業であっても反物に戻して洗うのだという。

 

着物を洗濯する機械の特性上、このロール状の反物に戻してからしか無理なのだ。ロール状の機械に乗せ、蒸しながら洗浄をしていく。これは着物古来の洗浄方法であり、「洗い張り」という。

 

 

このように綺麗になった反物はドレス屋さんに送られ、お客様の寸法と柄の位置のリクエストに合わせてドレスに仕立てられる。

 

もしかしたらここで、「着物なのに和裁士さんじゃないの?」と疑問に思われた方もいたかもしれない。実は当初は和裁士に依頼をしたものの、柄が来る位置を整えドレスに仕立て上げることができなかったのだという。

 

たまたまある洋裁の工場に着物好きな方がいらっしゃり、きものクチュールの最後の工程を請け負ってくれることになったのだという。

 

きものクチュールのデザイン

季縁のきものクチュールは3パターン。その他に、羽織も提案している。

 

①カシュクール

着物らしいタイトなラインを残した型。帯にはアンティークの着物生地がふんだんに使われ、アクセントとなっている。首、デコルテ周りをすっきりさせ顔を華やかに見せつつ、肩もカバーしてくれる。

 

②ドレープネック

ネックにアクセントを持たせたノースリーブモデル。肩の露出があり、控えめながらも肌を見せるこちらの型は少し色っぽい印象となる。

 

③コクーン

肌が見える分量が少ない分、知的で気品のある印象となるデザイン。シンプルに見えながらも丸みのある女性的なシルエットが人気である。

 

 

これら3つの型から選んでいただき、生地は季縁のもつストックの中から選ぶ、あるいは自身の着物を持ち込んで相談することも可能である。柄の出し方も含めて相談をし、自分だけのオリジナルの着物ドレスが完成する。

 

 

アンティークの着物や反物をアップサイクル(=リサイクルの中でも、より価値の高いものを生み出すサイクルのことを言う)する、というのが表面上の季縁の着物ドレスの説明になってしまう。しかし、北川さんの想いはもっと深いところにあるのだ。

 

「季縁」というブランド名は北川さんが名付けた。日本の美しい四季の「季」。 そして仏教の教えでも中核的に出てくる「縁」という言葉。これは、巡り合わせを大切にする事で道は必ず開ける、という意味を持つ。

 

この二つを組み合わせ、「季縁」と名付けた。日本の四季が随所に散りばめられた着物を通し、ご縁で巡り合う世界中の方たちに日本の美しい文化を伝えて行きたい、という想いが込められている。

 

日本の伝統工芸は、神様への祈りや捧げ品から発展したケースが多くあると北川さんは言う。着物一つを取ってみても、生地を織り上げたり、白生地を染めたり、刺繍を施したり、友禅染をしたりなどの一つ一つの工程に、かつては祈りが込められていたのだ。その祈りとは「天災や疫病などを治め、自分たちを守ってくれる」こと。

 

何か、今の時代に妙にピンとくるのではないだろうか。このような、着物の技術の背景に存在する精神を感じ取ってほしいのだと北川さんは言う。

 

 

北川さんは着物に挑戦をしようとしているのではない。むしろ、着物への大いなるリスペクトがあり、着物を知っているからこそ、着物ドレスを作ることが出来る。

 

着物への関心が薄れることなく、むしろ注目度が高くなっていくことに着物ドレスが貢献できればと考えていると語っている。

 

日本の誇るべき精神と文化が育んできた着物を、一層身近なものに感じることができる、あなただけのきものクチュールを仕立ててみてはいかがだろうか。

 

きものクチュール
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商品価格:¥104,500(税込)

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※ドレス制作期間は4~6週間となります。予めご確認下さい。
※お持ちのお着物でドレスを制作することも可能ですので、ご希望の際はお問い合わせにてご相談下さい。
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商品詳細

製造者株式会社季縁
商品名きものクチュール
サイズ受注後、ご希望に合わせたサイズで製作させていただきます。
素材正絹
納期ご注文後4~6週間前後での発送となります。
お渡し方法株式会社季縁より発送いたします。
配送料無料

ご購入の際の注意点

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