もう飲めない⁉アイリッシュ
土屋守の「ひと樽」vol.2

TEELING 2003 15年
TEELING 2003 15年
TEELING 2003 15年

TEELING 2003 15年

¥13,200 (税込・配送料別)
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通常販売価格

 

  • ウイスキー評論第一人者、土屋 守さんが選ぶ一樽
  • ノンピート麦芽仕込のアイリッシュを感じる一本
  • みずみずしいフルーティーさに甘みの味わい

 

土屋 守さんが選んだ<ひと樽>シリーズ  vol.2

 

2本目のボトルは、アイリッシュのシングルモルト「ティーリング2003 15年」を挙げたい。

 

 

「クーリー蒸留所」という名前をお聞きになったことがあるだろうか。アイルランドの北の端、英国の北アイルランドとの国境に近いクーリー半島にある蒸留所だ。アイリッシュ・ウイスキーのファンにとっては、注目の蒸留所のひとつである。

 

 

というのも、この蒸留所が、長らく寡占状態が続いてきたアイリッシュ・ウイスキーの市場に、風穴を開けるきっかけとなった蒸留所だからだ。

 

 

アイリッシュ・ウイスキーの革命児

 

アイリッシュ・ウイスキーの歴史は長い。そもそも、ウイスキーという言葉は、「命の水」を意味するアイルランド語に由来するとされ、さまざまに論争はあるものの、ウイスキー造りが始まったのはスコットランドよりも古いというのが定説になっている。

 

 

長い歴史の間には、数多くの蒸留所が営まれてきたが、米国の禁酒法やアイルランド内戦を機に蒸留所の統廃合が加速。

 

 

近年は、アイルランド南部の街、ミドルトンで「ジェムソン」「タラモアデュー」といったメジャーブランドを造る「ミドルトン蒸留所」、 北アイルランドの北端にある「ブッシュミルズ蒸留所」の二大勢力による寡占状態が続いていた。ちなみに、「ブッシュミルズ」は、ラベルで1608年創業を謳い、アイルランドで最古の蒸留所とされている。

 

 

その寡占市場に、第三勢力として1987年に登場したのがクーリー蒸留所だった。創業したのは、ジョン・ティーリングさん。元々はアイリッシュ・ウイスキーの歴史研究者で、ジャガイモからアルコールを生産する工場を買い取り、ウイスキー蒸留所へと造り替えた。アイルランドでは、100年ぶりの新しいウイスキー蒸留所である。

 

 

目指したウイスキーは、量産品ではなく、規模は小さくてもアイリッシュならではの質の高い造り。かつて隆盛を誇ったアイリッシュ・ブランドの再興を事業のコンセプトに掲げた。

 

 

前身がアルコール工場だっただけに、アイリッシュの蒸留所としては珍しく、ポットスチル(単式蒸留機)と連続式蒸留機とを備え、モルト、グレーン両方のウイスキーを生産する。あるいは、50年以上も操業が止まっていたキルベガン蒸留所を再建したりと、「アイリッシュの革命児」として、さまざまな試みを行い、歴史は浅いものの、国際的なコンテストで数々の賞を獲得するまでに育て上げた。

 

 

しかし、2011年、ティーリングさんは、蒸留所をビーム社に売却。現在、クーリーは、ビームサントリー社傘下の蒸留所の1つになっている。

 

 

「アイリッシュのよさが、すべて出ている」

 

蒸留所を売却したティーリングさんだが、今度は彼の息子たちが、2015年、ダブリンで新しく「ティーリング蒸留所」を開設した。ダブリンで新規の蒸留所は、125年ぶりだという。ポットスチル3基と小規模ながら、クラフトらしく、ていねいなウイスキー造りを目指している。

 

© ウイスキー文化研究所

 

10年前、アイリッシュの蒸留所は、たった5カ所しかありませんでした。それが、2012~2013年頃からの世界的なクラフトブームを受けて、ここ3年くらいで一気に蒸留所が増えました。現在は30カ所くらいが操業しています。ティーリング蒸留所もそのひとつですね。

と土屋さんはいう。

 

© ウイスキー文化研究所

 

そして、ティーリング蒸留所のブランドが、今回のボトル「ティーリング」というわけだが、2015年の操業開始なので、熟成した原酒ストックは、まだほとんどない。

 

 

実は、土屋さんが、樽で購入してまで、オリジナルボトルを制作した理由は、まさにそこにある。

 

クーリー蒸留所を売却した際に、かなりの量の原酒を引き継いで持ってきたんですね。そうしないと、新しい蒸留所を開設しても、10年くらいは売るものがないですから。

 

クーリー蒸留所のシングルモルト・ウイスキーは、最初のころは、テイスティングをしても、特に感心するような出来ではなかったんです。それが、15年、20年熟成させると、びっくりするほど美味しいものが出てくる。飲んだ時に、なんなんだ、コレは!と思いました。

 

しかも、その美味しさは、スコッチの美味しさとは明らかに違っていた。

 

スコッチにはちょっと出せないような美味しさなんです。フレッシュなトロピカルフルーツのようなテイストがある。でも、蒸留などの工程は、スコッチとほぼ変わらない。

 

彼らは、アイルランドの製麦所が作ったノンピートの大麦麦芽を使っているのですが、ウイスキーを味わってみると、スコットランドの大麦とは違う、と言わざるを得ないですね。アイリッシュのよさが、すべて出ているウイスキーだと思いました。

 

 

 

「失われゆく原酒」の樽を確保

 

ティーリングさんが仕込んだクーリー原酒がなくならない今のうちに、アイリッシュのレベルの高さを知ってほしくて、土屋さんはオリジナルボトルを企画したという。

 

 

原酒を引き継いだティーリング蒸留所に、シングルカスク(1つの樽のウイスキーだけを瓶詰めしたウイスキー)での瓶詰めを交渉。最終的にテイスティングで選んだ樽は、2003年にクーリーで蒸留されたものだ。

 

© ウイスキー文化研究所

 

アイリッシュ・ウイスキーは、ノンピート麦芽を使い、3回蒸留のものが多いが、この樽はスコッチと同じ2回蒸留。アイルランド産の大麦を使ったノンピート麦芽で仕込まれ、バーボン樽で熟成している。

 

 

テイスティングの印象を、土屋さんはこう表現する。

 

非常にフルーティなのですが、スペイサイドのフルーティさとは違います。熟したフルーツではなくて、ライチとかピーチといった、みずみずしいフルーティさ。それに甘みも感じます。この味がどこから来るのか、謎ですね。

 

世界的なウイスキーブームを受けて、評価、生産量ともに、今、アイリッシュ・ウイスキーの伸びは目覚ましい。米国にはアイルランド系の人々が4000万人もいて、生産量の半分は米国に輸出されているという。

 

© ウイスキー文化研究所

 

日本では、アイリッシュ・ウイスキーに、「スコッチの亜流」「安価なウイスキー」といったイメージが持たれがちだ。しかし、アイリッシュの現実は、はるか先を疾走している。

 

 

ここらへんで、「古い先入観」をリセットするには恰好の1本だと思うが、いかがだろうか。

 

 

Behind the Scenes <ウイスキー文化研究所 土屋 守さん>

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商品詳細・配送・お問い合わせ

販売元株式会社ウイスキー文化研究所
商品名TEELING 2003 15yo(ティーリング 2003 15年)
容量700ml
度数55.3度
蒸留年2003年10月
瓶詰年2019年2月
発送スケジュールご注文後、土日祝日を除く5営業日以内に発送いたします。
配送料金(税込)全国一律 1,000円

ご購入の際の注意点

  • この商品は株式会社ウィスキー文化研究所が販売、株式会社SoGooが発送します。
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