名作アニメのモデルを完全再現
質感に目を見張る超精密模型







サボイアS-21 1/18モデル
通常販売価格
この翼の長さでは飛ばないので、あと1センチ長くして下さい。それ以外はOKです。翼を長くしたS-21を見せて下さい。
矢野雅幸さんの記憶では、「サボイアS-21」のプロトタイプ模型を前に、宮崎駿監督はそう言ったという。
© Studio Ghibli
大ヒットした長編アニメーション作品、宮崎駿監督の『紅の豚』が封切られたのは1992年のこと。
飛行機の精密模型を制作する専門店、ウイング・クラブ(東京・青山)を経営する矢野さんも、いち早く映画館に駆け付けた。
主人公ポルコ・ロッソの愛機、サボイアS-21が飛んでいる情景が、あまりにもリアルで驚きました。従来のアニメは、飛行の描写がリアルではなかったですから。S-21の機体デザインも秀逸だと思いました。
『紅の豚』のS-21に感動した矢野さんは、誰に頼まれたわけでもなく、模型の試作にとりかかる。スケールは1/24に決めた。
とはいえ、簡単ではない。アニメはあくまでも2次元で描かれた絵だ。3次元の立体造形にするのに、アニメのシーンが掲載された関連書籍を買い集めるところから始めた。それらを参考にして、S-21の図面を起こすためだ。
最も難しかったのは、機体を形作る曲線の表現だった。
© Studio Ghibli
もともとの職業がデザイナーでしたので、好きな機体を図面に起こしていく作業は楽しみながら行いました。でも、サボイアS-21は機体胴体の上のラインが直線ではなく、微妙にうねっているんですね。うまく表現するのに苦労しました。
出来上がった1/24の試作モデルを携え、初めてスタジオジブリを訪れた。ひと目見た宮崎駿監督の反応が、冒頭の発言だ。矢野さんは、「サボイアS-21」模型の商品化を許された最初の人となった。
精密模型という新しいジャンルを創る
『紅の豚』といえば、誰もが思い出す名セリフがある。
物語の舞台は、第一次大戦後のイタリア。イタリア空軍のエースパイロットだったポルコ・ロッソは、漫然とファシズムに流されていく軍に見切りを付け、ひとり、アドリア海で空賊(空の海賊)を退治する賞金稼ぎとして生きている。宿敵カーチスとの危ない勝負を止めようとする幼なじみのジーナに、ポルコが放ったひと言が、
「飛ばねぇ豚は、ただの豚だ」
だった。
この言葉は、当時の子供からビジネスマンまで、男たちのハートをワシづかみにしたものだ。矢野さんも、そうしたひとりだった。
僕は、人は自由にやりたいことをやってこそ価値がある、という意味に受け取りました。
受け取った意味は、そのまま矢野さんの半生にオーバーラップする。
子供の頃からの飛行機好きで、作ったプラモデルは数知れず。デザインを志し、大手レコード会社でジャケットデザイナーを務めた後、ニューヨークで勉強し、デザイナーとして独立。有名アーティストのレコード、CDジャケットを数多く制作してきた。
そして、自分にしかできない仕事がしたいと、博物館展示用などの精密な飛行機模型を手掛ける株式会社ウイング・クラブを設立。従来のプラモデルやダイキャストモデルではなく、ミュージアム・モデルとして通用する格段に精密でリアルな模型作りを追求するようになる。
10年ほど前に病を得て、身体の自由が利かなくなった。しかし、今でも、「モデルはまだ発展途上中です」とリアルさの追求には、いささかも陰りがない。
まさに、傍目には、「飛ばねぇ豚は、ただの豚だ」を地で行っている生き方にも見える。
こだわりは、機体内部や物語展開にまで
初めてウイング・クラブの1/18モデルを見た人は、その精密さに、一様に舌を巻く。
特に、ハーフ・スケルトンと呼ばれる、機体構造の一部が見えるモデルは見事としか言いようがない。
© Studio Ghibli
どのモデルも、1点ずつ、モデラーが木型を作り、グラスファイバー(FRP)の型を作り、レジンや金属のパーツを組み、塗装して、手作りしていく。
考えただけでも、気が遠くなるような作業の積み重ねだ。リアルなのは、機体の造形だけではない。
ストーリーに対するリアルにもこだわる。
© Studio Ghibli
ポルコの愛機は、何回かの修理や改修を受けているが、そのバージョン違いを1/24スケールで、すべて用意するという念の入れようだ。ちなみに、写真のモデルは1/18スケールで製作されたミュージアム・モデルのハーフ・スケルトン・モデルで、最初のポルコの愛機だ。
ウイング・クラブのモデルは、すべてが受注生産だ。『紅の豚』モデルも、受けた順に手作りしていくため、現在は、完成まで1年かかるという。しかし、その精密さ、質感、重量感、なによりも存在感には、時間をかけた職人技ならではのオーラがある。
ところで、矢野さんは、ずっと以前から、ひそかに『紅の豚』の続編企画を温めているという。
舞台設定やプロット、飛行機のデザイン画などを書き、それらをまとめたファイルは、長らく仕事場のキャビネットに収めてある。
しかし、そこまで『紅の豚』に惚れ込んでいるのに、いや、おそらくは、惚れ込んでいるからこそ、切り出す勇気がなくて、宮崎駿監督には、まだファイルを見せられないでいる。
Behind the Scenes <ウィング・クラブ>
「好き」に気付けたからこそとことんやれる。図面書き起こしから始まる独自の超精密手作り模型
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- 株式会社ウイング・クラブの社員がご自宅へ伺ってのお引渡し(配送料は配送先住所を元に、実費を別途請求させていただきます。飛行機・新幹線等を利用する場合は座席は2席必要となります。※楽器と同じ扱い)
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- 当商品はお子様の玩具ではございません。観賞用の目的以外にはご使用にならないでください。
- 翼端、プロペラ、機銃等の尖端部分のお取り扱いに十分ご注意ください
- 直射日光の当たる場所や、高熱の影響を受ける場所は避けてください。
モデルは以下の5種類からご選択いただけます。本体以外に、テーブル上にラジオ・電話の乗った模型と、本体のエンジンとは別モデルのエンジン模型が付属します。
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