意一堂

一生付き合う自分の体を整える
台湾で根付く漢方ケアを日常に

2022.4.27

 

「台湾の昔ながらの薬局を復活させたい」

日本では『漢方』ときくと、風邪をひいたときに飲む薬の一種というイメージが強いのではないでしょうか。

 

 

ですが隣国の台湾では、漢方に対する捉え方が日本とは異なり、成長促進や生理や産後ケアなどをはじめ、どの家庭でも漢方をヘルスケアとして一般的に取り入れているといいます。そんな台湾は台北の地で、40年間多くの患者さんから親しまれている診療所兼漢方薬局の「意一堂(イイチドウ)」。

 

 

院長の江錦輝(チャン・キンキ)氏は、中医漢方専門医として医学団体と共同で漢方の伝統的知識を研究し、豊かな臨床経験を活かした独自の処方で、患者さんそれぞれの体質に適した治療を行っています。

 

 

 漢方医の江錦輝(チャン・キンキ)氏

 

そんな患者さんのからだ悩みと真摯に向き合ってきた意一堂は、2016年に大きなリノベーションを行ったといいます。そこには「昔ながらの漢方薬局を復活させたい」という想いが――。

 

 

意一堂として、台湾の昔ながらの漢方薬局の機能を実現したいという想いがありました。昔は薬局も色んなところがあり、調味料が売っていてスーパーの機能があったり、季節にあわせた漢方茶を飲みに行くようなカフェのようなところもあり、薬局は人が集まるところでした。

 

もちろん今は漢方薬局に行くよりはスーパーやカフェに行く人が増えましたし、後を継ぐ人も減少しているので、漢方薬局はものすごいスピードで減ってきてしまっています。

 

なので、リノベーションを行い診療所だけでなく薬局の機能と並立することで、今の人に昔ながらの漢方薬局を知ってもらいたいという気持ちがすごい強かったんです。

 

そう語ってくれたのは意一堂のサラ・ジャンさん。

 

 

元々は診療所だった意一堂ですが、人が集まる昔ながらの薬局を取り戻したいと、現在の診療所兼漢方薬局のスタイルに辿り着いたといいます。

 

 

 1階が漢方薬局、2階が診療所の意一堂

 

 

不調が出る前にセルフケア「一般の方の方にも漢方商品を」

そして意一堂では、漢方をまだ取り入れたことのない人に向けて、独自の漢方製品を手掛けています。

 

診療所は処方しかできないところ、薬局では一般の方向けに商品をつくることができます。なので不調が出た際の診療だけでなく、病気になる前に漢方でケアしていくという異なる役割がそれぞれあります。

 

台湾ではスーパーでも食品として薬膳や真珠紛が一般的に売られており、特別なものというより馴染みのある製品という印象が強いそう。そのため意一堂としてオリジナルの製品を考える際も、どのようなラインナップにするかあまり迷いはなかったといいます。

 

 

 

 

しかし意外にも、意一堂のように薬局として製品をつくっているところは珍しいのだとか。

 

他の漢方薬局でも、〇〇を何グラム下さいと行けばその場で計って買えるものもありますが、それはかなり漢方に詳しくないとなかなかできないことだと思います。なので漢方にそこまで詳しくない人でも、漢方を取り入れるきっかけになれたらという想いが商品化に繋がりました。

 

意一堂では、台湾で日常的なケアとしてよく用いられるものや、人生の大きなタイミンで必ず薬局にいき買うようなものを一般向けに展開しています。

 

そして意一堂の人気製品である漢方入浴パックは、入浴習慣のある日本向けに開発されたといい、漢方を用いる薬浴を家庭で簡単に体験できると好評です。

 

バスシリーズは実は日本向けに開発されたものなんです。日本の方は元々入浴の習慣があり、漢方を長く飲んでいる方もいらっしゃいます。

 

でも飲む以外の他の方法で吸収できないか?という要望を受けることもあり、先生の診療では入浴の処方も出しているので、それがバスシリーズ開発のきっかけとなりました。

 

 漢方入浴パック

 

 

台湾では成長期に漢方を取り入れるのが一般的

そもそも台湾と日本の漢方に対する捉え方の違いには、周囲の環境が影響しているのだそう。

 

一般的に女性は1213歳の思春期頃から、からだのケアに対する意識がすごく高くなります。生理のときは冷たいものを飲まないように気をつけたり、冬や春の前後は薬膳を必ず食べたりします。

 

例えばアイスや冷たいものを買う時も、友人同士でからだを気遣いあったりする会話があるなど全員の意識が高いですね。社会的にそういう風潮があるんです。

 

なので日本にきて感じたのは、からだのことは自分で考えたり調べたりするけど、あまり周りの人には相談しない。それに比べると台湾では人に相談し情報収集するといったように、言い合える雰囲気がありますね。

 

セルフケアに対しての高い意識は10代の早い時期から芽生えたというジャンさん、漢方文化をはじめ家庭や友人など「周囲のなかで自然と育まれた」といいます。からだのことを相談し合うことで、互いに労わることにも繋がります。

 

 

 

 

「一生付き合っていく自分のからだの声に耳を傾ける」

日本では大きな病気や出産などの自分の身に実際なにか起きてから、ケアする人が多いイメージがあります。

 

ですがやはり一生付き合っていく自分のからだなので、日頃からからだの声に耳を傾け変化を意識することは大切だと思います。意一堂がそのきっかけに少しでもなれたら嬉しいです。

 

そう語るジャンさん。

 

 

意一堂の漢方薬局にはシンガポールや香港、東南アジアなどの遠方からも多くの人が訪れるといい、「病気や不調になるまえに、自分のからだと向き合い整えていく」という台湾のセルフケア文化は、今後もますます広がりをみせそうです。